厚生労働省による最低賃金の見直し案では地域別について、最低賃金の算定根拠として生活保護の水準も考慮するそうですが、地域別の平均時給を年収に換算すると約140万円です。生活保護の基準額は1人世帯(男性45歳)で148万円、2人世帯(女性48歳、子供12歳)で231万円となっているので、最低賃金よりも高くなっているというわけです。見直しが実施されれば、最低賃金が底上げされることになります。
また、最低賃金を下回る水準で人を雇った企業に対して、現行では労働者1人あたり2万円以下の罰金が科されます。この程度の罰金では企業は痛くもかゆくもありません。これを30万円以上に引き上げる予定となっています。効果が出るかはわかりませんが、まずは一歩前進したといえるでしょう。
一方、地域別を上回る形で金額が設定され、経済界から「屋上屋」と強い批判が出ている産業別については、罰則を廃止して労使の自主的な取り組みで改善をはかるるとあります。