またワーキングプアの増加の原因は若者の就職問題だけではありません。
たとえば何らかの理由で中途離職した中高年のサラリーマンにとっても、企業に再就職することは極めて難関となります。また企業側もバブル崩壊後の過激なリストラなどで経費削減に努めて利益を上げようとした結果、景気が回復した現在でもその体質が残っていることの影響も考えられます。
またバブル経済崩壊後、企業が正社員雇用から非正規雇用に切り替え、アルバイトやパート、契約・派遣社員の求人を主にして人件費の節約を図ったことも要因のひとつと考えられます。
現在日本では景気が回復しつつあると言っても、企業の雇用形態がすぐに元の正社員雇用メインに戻れるかどうか、中途採用の困難さが改善されるかどうか、など、ワーキングプアを含む雇用問題の解消は簡単ではありません。