「賃金改善」という言葉は2006年ごろから「ベースアップ」に代わって用いられ始めました。普通は英語のまま普及するのに珍しいですね。「ベースアップ」は企業の労働者の全体の賃金を一律に上げるという意味です。
終身雇用制の崩壊や不景気などの影響で企業側は2000年ごろからベースアップによる一律的な賃上げに強い抵抗を示し始めたため、労働組合側も強くベースアップを要求することができませんでした。
2005年ごろから景気回復の兆しが見え始めたわけですが、若手や中堅層などや一部の職種に限定して賃上げを実施するようになったことを総称して賃金改善といっています。
賃金制度が多様化しているため、単純に「賃上げ」と言えない理由が「賃金改正」と言う言葉を使う理由にあげていますが、「賃上げ」という言葉に敏感で嫌っている経営側に遠慮した結果とも言われています。